ウィンターブルーとは
秋から冬にかけて起こりやすいこれらの症状は、『ウィンターブルー』と呼ばれる病気が関係している可能性があります。
ウィンターブルーとは
- 『季節性うつ病』のひとつ
- 若年層の女性に発生しやすいと言われている(20〜30代男性にも多い)
- 気温が低下する11月頃に発症し、春になるにつれ症状が和らいでいく
- 『季節性感情障害(SAD)』などと呼ばれることもある
- 北欧などの日照時間の短い地域でも同様の症状が起こりやすい
「なんとなくだるい」「最近やる気が出ない」と思っている方は多くても「師走で忙しいから」「寒くて外に出たくないだけ」などと思って放置している方も多いのではないでしょうか。
しかし、しっかり知ることによって適切な対処をすることは可能です。
ウィンターブルーの症状
個人差はあるものの、下記のような症状を訴える方が多いようです。
- 気分の落ち込み(悲観的に考えたり、些細なことで落ち込みがち)
- 外出が億劫になる、人と会いたいという気持ちがなくなる
- 集中力が低下し、普段はしないようなミスが増える
- 会議などでうまく話せなくなる、頭の整理がしにくくなる
- 趣味や普段楽しくしていたことまで、やる気がなくなる
- 文章が読みづらくなる、読書が進まない
ここまでは通常の鬱症状と似ている部分も多いですが、ウィンターブルーの特徴としては下記の症状も現れます。
- チョコレートなどの甘いものや、菓子パンなどの炭水化物をやたら食べてしまう
- 寝ても寝ても疲れが取れていない気がする、朝が起きられずいつも眠い
ここまで聞いて、「そんなの毎年冬はそんな感じだよ!」と思う方もいるのではないでしょうか。実は自覚していないまま、軽微な症状が出ている方は大変多いといいます。
しかし、その症状を改善できるならそれに越したことはありません。
本日は原因と対策についても詳しくみていきたいと思います。
原因は?
ウィンターブルーの原因は下記2つのホルモンの分泌不足といいます。
セロトニン不足
セロトニンとは、通称「幸せホルモン」とも呼ばれる脳の神経伝達物質の一つです。幸せな気持ちや安心感、嬉しい気持ちや前向きなやる気などといった感情を起こす際に必要な大切なホルモンです。
これが分泌されるために必要なのが太陽の光。
冬になって冬至が近づくにつれて日照時間が徐々に短くなることによって、太陽の光を浴びる時間が減ってしまうことが大きな原因と考えられています。
メラトニン不足
また、通称「睡眠ホルモン」と呼ばれるメラトニンの生成にも太陽の光を浴びることが必要となります。
日照時間が不足することによって、メラトニンの分泌が不足するため、夜になっても良質な睡眠をとることができず、結果として日中の眠気や集中力の低下を引き起こすといいます。
対策は?
もちろん、症状がひどい場合は別の原因も考えられますので医療機関などで専門家に相談することが必要ですが、軽い症状の場合は自分での対策が可能です。
下記を意識することから始めてみてください。
日光浴
セロトニン、メラトニンの分泌を促すために必要な日光。これを積極的に浴びることが必要です。
これは直射日光でなくても構いません。曇りの日でも雨の日でも外に出ることは大きな意味があります。
外に出るのはベストですが、そのやる気もない時は部屋の中でも構いませんので、まずは少しでも太陽を浴びる時間を作ることが大切です。
体を動かして心拍数を上げる
毎日20分ほどの運動習慣がベストとは言いますが、そこまでハードなものでなくても構いません。
まずは下記のように、日常できる簡単なことから始めてみてください。
面倒に思ってしまう時には「これで仕事のミスが減る」「これで月曜の憂鬱が減る」と思ってみてください。そのようなメリットを意識するだけで、少しずつやる気が湧いてきませんか?
栄養素を意識する
セロトニンを増やすためには下記の栄養素が必要です。
- トリプトファン(セロトニンの元になる栄養素)
- ビタミンB6(トリプトファンからセロトニンを合成される際に必要な栄養素)
これらを含んだ食事を摂ることを意識することが大切です。
下記を最近あまり食べていない方は、積極的に食べてみましょう。
- 魚、肉などのタンパク質
- バナナ
- ナッツ類(無塩が苦手な方は、ハニーマスタード味や塩味がおすすめです)
- 大豆製品
- 乳製品
気づいたら最近、菓子パンやお菓子、パスタなどばかり食べていたな・・という方は、まずは肉や魚などのおかずが多めの食事をすることを意識してみてもいいかもしれませんね。
まとめ
症状の差はあれど、ウィンターブルーの症状が出ている方は非常に多いそうです。今は軽度な症状だけでも、放置して悪化すると危険です。
「もしかしたら自分もそうかも」と思う方は、是非上記を意識して対策してみてくださいね。