年収が高い人は、当然ながら「やること」が多い存在です。会社では責任あるポジションを任され、プライベートでも家族・人脈・資産形成など、複数の役割を背負っています。しかし一方で、同じ高年収層でも、心身をすり減らして疲弊している人と、ゆとりを持ちながら成果を伸ばし続ける人がいます。
両者の違いは「何をやるか」ではなく、何をやらないかを決めているかどうかです。つまり、「やらないことリスト」を持てるかどうかが、長期的な成功と健康の分かれ目になります。
ここでは、なぜ高年収の人ほど「やらないことリスト」が必要なのか、そして実際にどんなリストを作ればよいのかを具体的に解説します。
やらないことリストとは?
「やらないことリスト」とは、あえて自分の行動から外すことを明確に書き出したものです。
多くの人が「やることリスト(To Doリスト)」は作りますが、「やらないこと」を決める人は少ないでしょう。
しかし高収入を維持・向上させている人たちは、“何に手を出さないか”を徹底的に管理する傾向があります。
なぜなら、人生で一番貴重な資源は「お金」ではなく「時間と集中力」だからです。
高年収の人ほど「やらないこと」が重要な理由
仕事が増えるほど「意思決定の疲労」が増す
収入が高くなるほど、重要な意思決定を求められる場面が増えます。
そのたびに小さなことまで判断していると「決断疲れ」が起こり、大事な局面での判断が鈍ってしまいます。
「やらないことリスト」で小さな迷いを減らすことは、意思決定の質を守るために欠かせません。
成功の敵は「中途半端な案件」
年収が高い人の周りには、数多くの案件やチャンスが舞い込みます。しかし、その全てに手を出すと疲弊するだけ。
本当に収益性が高く、自分のキャリアに資する案件はごく一部です。
「やらないことリスト」に「利益率の低い案件」「精神的にすり減るだけの仕事」と書き出しておくことで、無駄な労力を避けることができます。
健康と家庭を犠牲にすると、年収は持続しない
どんなに稼いでいても、体調を崩せばキャリアは続きません。家庭関係が破綻すれば精神的なダメージも大きいです。
「残業は週○時間まで」「休日のメールは見ない」など、働かないルールを“やらないことリスト”に刻むことが、結果的に収入を守ることにつながります。
「他人に合わせすぎない」ことで集中力を保てる
高収入層に多い悩みのひとつに、人脈や交友関係の広さがあります。
すべての飲み会、すべての誘いに参加していたら、時間も体力も奪われてしまいます。
「会いたくない人に時間を使わない」「生産性のない会議に出ない」といった線引きは、人生を長期的に豊かにしてくれるのです。
実際の「やらないことリスト」例
ここで具体的に、高年収の人におすすめしたい「やらないことリスト」の一例を紹介します。
- 利益率の低い案件は受けない
- 夜遅くまでの残業はしない
- 休日のメール・チャットを確認しない
- 会いたくない人との食事は断る
- セルフマネジメントを乱す買い物(ストレス消費)はしない
- SNSの無意味なスクロールをしない
- 自分の強み以外の仕事を無理に抱えない
- 「安いから」という理由だけで買い物しない
- 移動コストの高い出張を安請け合いしない
- 曖昧な契約条件の案件にサインしない
これらは一例ですが、実際に書き出してみると「こんな小さなことが積み重なって自分の時間を奪っていたのか」と気づくはずです。
やらないことリストを作るコツ
書き出す時のステップ
- 過去1週間を振り返る
疲れた、後悔した、無駄だったと感じたことをピックアップする。 - 「やりたいこと」と比較する
それをやめれば、本当にやりたいことの時間がどれだけ増えるか考える。 - 紙に書いて見える化する
頭で思うだけでは効果がない。リストにして常に見返せる形にする。 - 定期的に更新する
キャリアやライフスタイルの変化に応じて内容を変える。
「やらないことリスト」が生む好循環
やらないことを決めると、自然と次のような好循環が生まれます。
- 心身が軽くなり、集中力が高まる
- 断る勇気がつき、自分を安売りしなくなる
- 「この人は無駄に引き受けない」という信頼を得られる
- 本当に成果につながる案件や人間関係が集まる
つまり、「やらないことリスト」はただの効率化のツールではなく、あなたの価値を守るためのバリアでもあり、人生を豊かにする選択の指針なのです。
まとめ:年収が高い人こそ「引き算の勇気」を
高収入を維持し続けるには、「もっと頑張る」よりも「余計なことをやめる」ほうが効果的です。
収入が高い人ほど、時間の奪い合いにさらされ、周囲からの期待も膨らみます。だからこそ、「やらないことリスト」を持って引き算の勇気を持つことが、持続的な成果と人生の余白を守ってくれるのです。
「結果がすぐに出ない=ここでやめる人がいる」というのと同じで、「断れない=疲弊して離脱する人がいる」世界でもあります。やらないことを決めてこそ、長く成果を積み上げられる人になれるでしょう。