以前、フリーランスが契約書を交わすことの重要性についての記事を書きました。
契約書をきちんと取り交わすことの大切さについてはこちらをご覧ください。
本日は契約書を実際に取り交わす際のお話です。「業務委託契約書」という名目での契約書を交わしている方も多いかと思いますが、詳しい契約の種類についてきちんと理解していない方も多いのではないでしょうか?
実はこの違い、知らないと超危険なのです。
例えば、どうしても人為的に解決ができないエラーが発生した際、「準委任契約」の場合は「可能な限りの業務を遂行した」ことに対しての報酬が支払われるのに対して、「請負契約」の場合は「エラーを解決して納品」しないと報酬が支払われない、なんてことにもなりかねません。
今回は
- 請負契約
- 委任契約
- 準委任契約
の3種類についてまとめていきます。
それぞれの契約とその違い
「委任契約」と「準委任契約」との違いは?
委任契約は、 当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託する契約です(民法643条)。委託された側が承諾することによってはじめて効力が生じます。
委任契約と準委任契約とは民法上同じルールが適用(民法656条)されます。最大の違いは、契約対象です。
委任契約
法律行為を委託する契約。例えば税理士や弁護士などに依頼する際に使われる「代理人契約」など、契約を締結するための意思表示。
準委任契約
事実行為を委託する契約。理論上、様々なパターンに適用させることが可能です。例えば、システム開発やWEBライティング、営業代行やコンサルティング、運送業務や建設工事など多岐に渡る。
よって、実際の業務委託契約においては、より広義で使用可能な「準委任」契約を用いる場合が多いです。
「委任(準委任)契約」と「請負契約」との違いは?
次に、委任契約と請負契約との違いについてまとめていきます。(これが重要です!)
請負契約とは、当事者の一方がある仕事を完成させることを約束し、相手方がその仕事の結果に対して報酬を支払うことによってその効力を生じる契約です(民法632条)。
請負契約は仕事を完成させることが契約内容となっている点が、委任(準委任)契約との最大の違いであり、もっとも意識しなければならない点であると言えるでしょう。
委任契約(準委任契約)
法律行為もしくは事実行為自体を委託する契約。委任された行為を、最善を尽くして行うこと自体が債務の履行となりまず。その結果については契約内容に含まれていません。
請負契約
仕事の完成を義務づける契約。納品物や指定された結果を完成させることがその契約内容となっています。例えば、システム開発の場合、何らかのエラーで想定の動きができない場合は債務不履行となり、報酬支払の対象とならない可能性があります。
参考:労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準 (最終改正 平成 24 年厚生労働省告示第 518 号)
どちらの方が有利?
業務遂行上、やむを得ない理由によって業務を完遂できないことはあります。
例えば・・・
- 天災などによる講演会の中断
- サーバー会社のエラーによるシステム開発への影響
- 成約に繋がらなかった営業活動
他にも想定外のパターンは数えきれないほどあります。
そのような場合、請負契約をしてしまうと「仕事の完遂」と認められない場合に債務不履行となってしまうリスクがあるでしょう。
もちろん様々な要素を鑑みる必要はありますが、基本的には受注側は「請負契約」をしない方が安心かもしれません。
まとめ
委任契約・準委任契約・請負契約の違いについて、少しでもイメージが湧きましたでしょうか?
実際の取引においては、請負契約も、委任契約も、準委任契約も、「業務委託契約」と呼ばれることが多く、実際自分がどの契約を交わしているのか理解していない方も多いのが現状です。(こちらから聞かないと、企業側が敢えて分かりづらい表現をして伏せている場合もあります。)
しかし何かがあってからでは遅いのです。
契約時にここを確認する癖をつけておくことで、少しでもご自身の身を守ることに繋がれば幸いです。