『根拠もなく報酬を減額された』『支払期日を守ってくれない』発注元の違反行為の通報先がオープン

フリーランス

フリーランスあるあるの金銭問題。これまで下記のような事態に遭遇したことのある人も多いのではないでしょうか。

  • 取引先からしつこく減額を要求される
  • 『まずはお試し価格』『トライアル期間』などと理由をつけて、安い報酬で契約しようとしてくる
  • 支払期日が過ぎているのになかなか入金されない

私も実際に遭遇しましたし身の回りでも非常に多いものの、実際に裁判などをする費用や時間もなく、これまで泣き寝入りしてきた人も多いのではないでしょうか。

そんな立場の弱いフリーランスや個人事業主に向けて、最近は国も動き出すようになってきました。

今回ご紹介する内容は、2022年(令和4年)1月に公開された、公正取引委員会中小企業に対して、親会社の法令違反を情報提供できる『違反行為情報提供フォーム』についてのお話です。

ここ数年のコロナ禍で情勢が変わり、フリーランスや個人事業主として副業を行う人も増えてきたことにより、これまで泣き寝入りになりがちだった下請け業者の権利が見直され始めてきました。

違反行為情報提供フォームとは

実際に下請法の内容見直しにより対象範囲の拡充が行われるなど、少しずつ改善の兆しが見られてきました。

しかしそれでもまだ摘発されていない法令違反が数多くあるのが事実です。

そこで2022年1月にオープンされたのが『違反行為情報提供フォーム』です。実はこれまでも下請法違反の申告は可能でしたが、申告者の身元を明らかにする必要がありました。そこに抵抗があって違反行為の通報ができなかった人も多いのではないでしょうか。

しかし今回の情報提供フォームでは匿名での申告ができる点が大きなメリットとなります。

情報提供の方法

では、具体的な内容を見てみましょう。

中小企業庁のサイトより、『違反行為情報提供フォーム』へアクセス

出典:中小企業庁『違反行為情報提供フォーム』

❷違反行為の内容を記載していく

下記の4項目のみ記入すれば、送信可能です!

  • 親事業者の正式名称
  • 親事業者の本社所在地
  • 親事業者の業種
  • 親事業者による行為

違反行為情報提供フォームの目的

一点だけ注意があります。

こちらの情報提供フォームに記載した内容は、あくまで下記に使用されるものとなります。

  • 独占禁止法違反に関しての、公正取引委員会による緊急調査
  • 中小企業庁や公正取引委員会による、下請法上の定期調査の対象選定

ということは、通報したからといって個別の事案に対処して個人の権利を守ってくれるわけではありません。

しかし一人ひとりがこのように通報することによって、下請け業者としてのフリーランスや個人事業主の権利を守ることや、不正を行っている企業を撲滅することに繋がります。

まとめ

これまで親会社からの不当な扱いに悩んできた人も多いのではないでしょうか。特に金銭問題に関しては生活も関わりますし、決して看過できない問題です。

最近は取り締まりを強化しておりますので、個々が泣き寝入りせずに情報提供を行なっていくことで、よりフリーランスや個人事業主が働きやすい社会を築いていくことができます。

今悩んでいる人も、以前悩んでいた人も、情報提供してみてはいかがでしょうか。

参考:公正取引委員会『相談・手続き窓口