「自分ファースト」こそが、唯一の持続可能な優しさである。

日々のあれこれ

「自分を後回しにしてでも、誰かのために」。

私たちは、自己犠牲を伴う献身こそが美徳だと教え込まれてきました。周囲の期待に応え、空気を読み、自分の疲労を押し殺して笑顔を作る。そうやって「良い人」を積み重ねた先に、何が残っているでしょうか。

おそらく、残っているのは「枯渇した心」と、無意識のうちに積み重なった「他人への苛立ち」ではないでしょうか。

断言します。自分を最優先にできない人間に、本当の意味で他人に優しくすることなど不可能です。 自分が満たされていない状態で振りまく優しさは、いつか必ず自分を焼き尽くし、相手への恨みへと変貌する「劇薬」に過ぎないと思うのです。


親族との付き合いを「断捨離」する勇気

親族という「血の繋がり」ほど、無意識に私たちのエネルギーを奪うものはありません。「親戚なんだから」「顔を出さないと角が立つから」という呪文に縛られ、貴重な休日を気疲れする集まりに捧げていませんか?

もし、その集まりがあなたにとって苦痛なら、思い切って距離を置く。法事や正月の集まりも、自分の体調や精神状態が優れないなら「今回は控えさせていただきます」の一言で済ませて構わないと思うのです。

  • 親族への対応の基準:
    • 無理をして参加し、不機嫌な顔で座っているよりも欠席を選ぶ
    • 「どう思われるか」より「自分がどれだけ消耗するか」を優先する
    • 距離を置くことで、たまに会った時に心から「元気だった?」と言える余裕を確保する

そこで親族にどう思われようが、あなたの人生の責任を彼らが取ってくれるわけではありません。自分を優先したからこそ生まれる、本当の親愛というものがあるはずです。

「やりたくない仕事」にNOを突きつける

職場での「良い人」は、往々にして「都合の良いゴミ箱」にされます。誰もが嫌がる雑用、自分の専門外の面倒な案件。「あなたがやってくれると助かる」という甘い言葉に騙されてはいけません。

本当の意味で仕事に誠実でありたいなら、やりたくない仕事(=自分が価値を発揮できない、あるいは極度に消耗する仕事)は、戦略的に断るべきです。

  • 仕事を断る際の「盾」:
    • 「今、自分の注力すべき業務の質を下げたくないので」という正論
    • 全方位に良い顔をしてパンクするより、境界線を引く誠実さ
    • 「これはやりません」と言える人の方が、結果として専門家として信頼される

自分のリソースを自分で守ること。それが、最高のプロフェッショナリズムではないでしょうか。

友人へのLINEから「過剰な絵文字」を削ぎ落とす

もっと身近なところから「自分ファースト」を始めてみましょう。友人とのLINE。相手のテンションに合わせて絵文字を盛り込み、語尾を整え、即レスを心がける……。その小さな気遣いの積み重ねが、じわじわとあなたの脳を疲れさせています。

今日から、過剰な装飾を辞めてみる。絵文字がなくても、スタンプがなくても、伝えたいことが伝わればそれで十分です。

  • SNSとの向き合い方:
    • 「冷たくなった?」と思われることを恐れない
    • 無理のない短文で、細く長く繋がっている方が持続可能
    • SNSの中の虚像ではなく、「等身大の自分」として向き合う

過剰な演出を辞めることで、本当に仲の良い友人なら、あなたが無愛想な短文を送ったくらいで離れてはいきません。

たった一つ、自分に「正直であること」だけを努力する

自分を優先する生き方を貫くために、一つだけ努力すべきことがあります。 それは、「自分の『嫌だ』という感覚にだけは、嘘をつかない」ということです。

  • 死守すべき「正直さ」:
    • 「本当は行きたくない」という微かな声を無視しない
    • 嫌なことは断る。疲れたら寝る。やりたいことを優先する。
    • 自分に対して誠実であればあるほど、他人に対しても寛容になれる。

自分の感情に対して誠実であること。その一点においてのみ、一切の妥協を許さない。あなたが自分に正直でいれば、内側に濁った不満が溜まることはなくなります。


最後に:自分を愛せない者に、他人は愛せない

「自分を大切にする」なんて言葉は、耳にタコができるほど聞かされてきたかもしれません。ですが、それを「戦略的」に実践している人は驚くほど少ない。

自分を優先することは、決してわがままではありません。 あなたが機嫌よく、穏やかで、満たされた状態でそこに存在すること。 それ自体が、周囲に対する最大の貢献です。不機嫌な聖者より、上機嫌な個人主義者の方が、よほど世界を明るくします。

  • まずは自分のバケツを、自分だけの好きなことでいっぱいに満たす
  • 「……まあ、自分が楽しいんだから、これでいいか」と思えるまで休む
  • 溢れ出した「余裕」だけを、隣の人に分ける

そう思えたとき、あなたの隣にいる人にも、自然と温かいお裾分けが届くようになる。そんな、図太くてしなやかな生き方を、私は選んでいきたいと思うのです。