腎臓の数値が悪いと言われたら
健康診断や人間ドックで「腎臓の数値が悪いですね」と言われると、不安になるものです。多くの場合、血液検査で クレアチニン値 や eGFR(推算糸球体濾過量) が基準値を外れていることを指します。これらは腎臓が老廃物をどれだけ効率よく処理できているかを示す指標で、悪化すると「慢性腎臓病(CKD)」と診断される可能性があります。
腎臓は“沈黙の臓器”とも呼ばれ、悪くなっても自覚症状が出にくいのが特徴です。そのため、数値で早めに気づき、生活習慣を整えることがとても大切です。
腎臓の数値が悪化するとどうなるのか
腎臓機能が落ちていくと、体の中に余分な水分や老廃物が溜まりやすくなります。むくみ、倦怠感、高血圧などが出始め、放置すると透析や腎移植が必要になることもあります。
ただし、数値が悪い=すぐに透析というわけではありません。むしろ 「進行を遅らせる」「改善を目指す」ための生活習慣」 が効果を発揮する時期です。ここからの一歩が未来を大きく変えます。
腎臓の数値を改善する食事
塩分を控える
腎臓に最も負担をかけるのは塩分です。日本人は特に塩分摂取量が多いと言われています。
- 外食やコンビニ弁当は塩分が多い
- カップ麺やスープを飲み干すのはNG
- 「減塩しょうゆ」「だしの効いた調味料」を活用
塩を減らすことで血圧も下がり、腎臓の負担が軽くなります。
動物性たんぱく質の摂りすぎに注意
たんぱく質は体に必要ですが、摂りすぎると腎臓に負担をかけます。特に赤身肉や加工肉は控えめに。代わりに、魚や豆腐、卵など消化しやすいたんぱく質をバランスよく摂ると安心です。
野菜と果物の上手な取り入れ方
野菜や果物は体をアルカリ性に近づけ、腎臓の働きを助けます。ただし、腎機能がかなり低下している人はカリウム制限が必要になる場合もあるため、医師の指示に従いましょう。
乳製品をうまく取り入れる
牛乳やヨーグルトには腎臓にやさしいカルシウムが含まれています。朝食にヨーグルトを加えるだけでも続けやすい改善習慣になります。
水分の摂り方にも工夫を
腎臓は水と一緒に老廃物を流し出す臓器です。十分な水分をとることで「ろ過作業」がスムーズになります。
- 朝起きたらコップ1杯の水
- 食事中・間食時に少しずつ水を飲む
- 一度に大量ではなく“こまめに”
ただし、心不全や浮腫がある場合は水分制限が必要になることもあるため、必ず医師の指示を確認してください。
運動習慣と体重管理
肥満は腎臓病の大きなリスク要因です。食べすぎを避け、腹八分目 を意識しましょう。
運動は激しいものではなく、ウォーキングやストレッチ、軽い筋トレ で十分です。体重を減らすこと自体が腎臓の数値改善につながります。
禁煙と節酒が腎臓を守る
タバコに含まれる有害物質は腎臓の血管を傷つけます。禁煙は腎臓に限らず全身の健康改善に直結します。
お酒も飲みすぎは腎臓に負担をかけます。ビールや日本酒を毎日飲む習慣があるなら、週に数日は休肝日を設けるだけでも違います。
精神的な工夫|「完璧」を目指さない
腎臓の数値改善は長期戦です。最初から完璧に塩分を控えたり、すべての食品を制限したりするとストレスが溜まり、挫折の原因になります。
「できることを一つずつ」 が合言葉です。
- 今日から「スープを残す」
- 今週は「加工食品を一つ減らす」
- 来月は「減塩しょうゆを買う」
このように段階的に取り入れることで、習慣化しやすくなります。
すぐにできる腎臓ケア習慣チェックリスト
- 朝起きたらコップ1杯の水を飲む
- コンビニで弁当を買うときは「減塩」表示をチェック
- ラーメンのスープは残す
- 冷蔵庫に野菜の作り置きを常備
- 夜はできるだけ早めに寝て、腎臓を休ませる
こうした小さな行動の積み重ねが、数値改善の大きな力になります。
まとめ

腎臓の数値改善に魔法の方法はありません。しかし、食事・水分・生活習慣を少しずつ整えることで、未来は確実に変わります。
- 塩分を控える
- 水分をこまめにとる
- 体重管理と軽い運動
- 禁煙・節酒
- 小さな習慣の積み重ね
この5つを意識すれば、腎臓の負担を減らし、数値の改善や進行抑制につながります。
腎臓は黙って働いてくれる臓器だからこそ、こちらから労わってあげることが大切です。今日から始める小さな工夫が、将来の自分を守ってくれます。

