年収と移動距離は比例するのか?
「年収と移動距離は比例する」という言葉を聞いたことがある人は多いかもしれません。
まるで格言のようにも聞こえますが、これは果たして本当なのでしょうか?
筆者自身、会社員から独立してフリーランスになったことで、仕事の仕方も大きく変わりました。その中でこの言葉に「一理あるかもしれない」と実感する場面が増えてきたのです。
特に、意識的に移動を取り入れるようになってから、仕事の質も生産性も少しずつ変わってきたと感じています。
今回は「移動がもたらすポジティブな効果」と、それがどのように仕事や年収に結びつくのかについて、自身の体験も交えながらお話していきたいと思います。
移動によって得られる5つのメリット
視野が広がる:物理的距離が、思考の幅を広げる
移動することで、単純に「目に入る景色」が変わります。
高い場所、広い景色、遠くまで見通せる視界。それだけで、思考の窮屈さがふっと和らぐことがあります。
特に、アイデア出しやコンセプト設計など“ゼロから何かを生み出す”仕事に取り組んでいると、場所が与える影響は意外に大きいものです。
煮詰まったときは、高層ビルのラウンジや海辺のカフェ、山の展望台など、少し非日常を感じられる場所にPCを持ち出してみてください。それだけで、思考が整理され、解決の糸口が見えてくることも多いのです。
脳がリフレッシュする:新しい体験は最高の“休息”
移動は、脳への刺激になります。
心理学でも「新鮮な体験をすることは、ただ休むよりもリフレッシュ効果が高い」と言われています。
特別な遠出をしなくても、普段と違うルートを歩く、いつもと違う駅で降りるだけでも新しい刺激になります。
五感がいつもと違う環境にさらされると、無意識のうちに「今ここ」に集中する時間が増えます。
スマホから離れ、情報から距離を置き、自分の感覚を取り戻すチャンスです。
結果として、帰宅後や仕事再開後の集中力・モチベーションが上がることにもつながります。
出会いと学びが生まれる:テリトリーを出ると、人が変わる
「いつもと違う人に会う」ことが、視点を変えるきっかけになることも多いです。
例えば、
- 旅行先の居酒屋で、偶然隣に座った人と話すことになった
- 地元の名産を語るタクシーの運転手さんから、地元愛を学んだ
- 数年ぶりに会った友人と、人生観の変化について語り合った
こうした何気ないやりとりが、自分では思いつかなかった発想につながることもあります。
フリーランスはどうしても孤独になりがちですが、「知らない人と話す」ことには思っている以上の価値があります。それはスキルでも資格でも得られない“生きた知恵”のようなものです。
記憶に定着しやすくなる:移動先で得たインプットは強く残る
新しい体験とセットになった思考や学びは、記憶に残りやすいです。
例えば、ある本を読むにしても、家のソファで読んだ時より、旅先のカフェで読んだときの方が印象に残っていることはないでしょうか?
私自身、現在この記事を、旅先のホテルの一室で書いています。
キャンペーンを使って、普段より少し良いホテルに泊まり、あえて観光地から少し外れた静かな場所を選びました。
予定は、その土地に移住した友人とのランチだけ。その後は自由時間として、移動先のカフェやホテルで仕事をする「ワーケーション」です。
朝、テイクアウトしたコーヒーを片手に明るい日差しの入る部屋でPCを開く――。
たったそれだけのことで、「ああ、今日という1日を大切に使えている」と感じられるのです。
自分の変化に気づける:比較があるからこそ成長が見える
移動を通じて、過去の自分との違いに気づくこともあります。
昔よく通っていた場所に行ってみて、「あれ、前より疲れにくくなってるな」と思ったり、「前は落ち込んだ場所だけど、今は前向きな気持ちで歩けている」と感じたり――。
環境を変えることで、相対的に“今の自分”の状態が見えてきます。これは自己理解を深める絶好の機会です。
実際、年収は上がったのか?
正直に言うと、「移動した “から” 年収が上がった」と断言できる根拠はありません。
けれど、移動を意識するようになってから仕事の単価が少しずつ上がってきたのは事実です。
たまに移動を取り入れることで、自分の心が整い、余裕ができ、結果として「より良い仕事」を提供できるようになった気がしています。
クライアントワークにおいても、提案の切り口や対応の柔軟さが変わったとも感じています。
まとめ:だから私は、意識的に“動く”
年収と移動距離に明確な因果関係はないかもしれません。
でも、「移動する人が収入も上がっている」というのは、一理あると思っています。
移動はお金も体力も使います。でも、その対価として得られるのは
- 思考のリフレッシュ
- 視野の拡大
- 人との出会い
- 自分の変化への気づき
といった、価格がつけられない価値です。
フリーランスで仕事に行き詰まっているとき、マンネリに悩んでいるときは、ぜひ“いつもと違う場所へ行く”という選択肢を思い出してみてください。
「動くこと」は、きっとあなたの仕事と心を軽くしてくれるはずです。