毎日、なんとなく疲れていませんか?
なんだか毎日、気づけば溜息ばかり。
朝は「今日も仕事か…」と気が重く、帰宅後は気力ゼロ。
「頑張っているのに、なぜか満たされない」
そんな日々を送っている人は、決して少なくないはずです。
そんな中、最近注目されているのが「静かな退職(Quiet Quitting)」という考え方。
これは、「会社を辞める」ことではありません。
必要以上に仕事に尽くすのをやめ、自分の健康や人生を優先する——そんな働き方を指します。
「静かな退職」ってどういうこと?
「退職」と聞くと、会社に辞表を出して去る姿を想像しますが、静かな退職は“実際には辞めない”退職です。
具体的には以下のような行動が「静かな退職」にあたります。
- 残業をせず、定時で退勤する
- 上司や同僚からの雑用を断る
- 会社イベントや飲み会に積極的に参加しない
- 自分の業務範囲外の仕事を引き受けない
- 昇進や評価のために自分を犠牲にしない
「必要以上に頑張るのをやめる」「“期待以上”を提供しない」
それが静かな退職の本質です。
なぜ今「静かな退職」が広まっているのか?
背景には、ここ数年で大きく変わった働き方や社会の価値観があります。
1. 頑張っても報われない構造的問題
成果主義が進んだ一方で、「頑張った人ほど損をする」構造も。
評価の基準が曖昧なまま、やる人にだけ仕事が集中する職場も珍しくありません。
2. リモートワークで“監視されない”環境へ
コロナ禍を機に在宅勤務が広がり、過剰な気遣いやサービス残業をしなくても仕事が回ることに気づいた人も多いはず。
「必要以上に頑張らなくてもいい」と思える環境が整ってきました。
3. 副業や転職の選択肢が増えた
1社にしがみつかなくても生きていける時代。
キャリアの多様化が進み、「とりあえず今の会社で限界まで頑張る」必要はなくなっています。
4. 心と身体の限界を感じる人が増えた
慢性的な疲労感やストレス、不安定なメンタル。
「無理して壊れる前に、一歩引いて守ろう」と考える人が増えました。
「静かな退職」はサボりではない
静かな退職に対して、「やる気がない」「責任感がない」と否定的な声もあります。
しかし、本当にそうでしょうか?
定時内で業務をきっちりこなし、チームに迷惑をかけずに働く。
それだけでも十分立派な社会人です。
むしろ、過剰に仕事を抱えて心身を壊すほうが、結果的に周囲に迷惑をかけてしまいます。
「自分の限界を知り、線を引くこと」は、誠実さでもあるのです。
「静かに退職する」人たちのリアルな声
■ Aさん(30代・IT企業勤務)
新卒から10年、常に“頑張ることが正義”という空気の中で働いてきました。
ある日、休日に倒れて救急搬送。過労でした。
そこから一気に働き方を見直し、「静かな退職」を実践。
今は定時退勤し、趣味の時間を楽しんでいます。
■ Bさん(子育て中のフルタイム社員)
育児とフルタイム勤務の両立は、思っていた以上に過酷でした。
会社では「母親なんだから配慮してもらえる」と思われて、逆に雑務ばかり押し付けられていたんです。
思い切って一線引いたことで、家庭とのバランスが取れるようになりました。
あなたが悪いわけじゃない。構造の問題かもしれない
「頑張らないといけないのに、頑張れない」
「みんな残業してるのに、自分だけ定時で帰っていいのかな」
そんな罪悪感があるかもしれません。
でも、それはあなたの問題ではなく、過剰な働き方を美徳とする社会の仕組みに問題があるのです。
静かな退職は、自分を守るための選択。
自分の人生を取り戻す、第一歩なのです。
まとめ:静かに、自分らしい働き方を始めよう
「静かな退職(Quiet Quitting)」は、怠けることではありません。
心と体を守るために、“やらなくていいこと”に線を引くこと。
- 定時で帰る
- 業務外の仕事を断る
- プライベートを優先する
そのすべては、長く健やかに働き続けるために必要なアクションです。
これからは「がむしゃらに働く」だけが正義ではない時代。
静かに、でも確かに、自分を大切にする選択をしていきませんか?
