就職・転職の面接で避けられないのが「弱点を教えてください」という質問。
多くの人が頭を悩ませ、「どうにか無難に答えよう」と準備します。しかしここで本音を語れる人ほど、面接官からの信頼を勝ち取るケースが少なくありません。
一見マイナスに思える弱点ですが、話し方次第で「誠実さ」「成長意欲」「自己認識力」を示す絶好の機会になります。この記事では、弱点をどう伝えれば評価につながるのか、具体例を交えて解説していきます。
なぜ面接で弱点を聞かれるのか?
面接官が弱点を質問する目的は「欠点を知りたいから」ではありません。
実際には次の3点を確認しています。
- 自己理解があるか:自分を客観的に把握できるか
- 誠実に答えられるか:不利な質問にどう対応するか
- 改善意欲があるか:成長の可能性を示せるか
つまり、弱点をどう克服しようとしているかが重要であり、答え方ひとつで評価は大きく変わるのです。
弱点を語れる人は「強い人」
弱点を隠そうとする人よりも、率直に語れる人の方が信頼を得やすいのはなぜでしょうか?
- 人間味がある → 完璧な人物像よりも安心感がある
- 責任感がある → 問題を認め、向き合う姿勢を見せられる
- 改善意欲がある → 行動で示せれば成長の証明になる
例えば「慎重すぎて時間がかかる」と答えた場合、マイナスに聞こえる一方で「ダブルチェックでミスを減らせる人」という強みとして映ることもあります。
面接で弱点を語るときの3つの工夫
1. 致命的でない弱点を選ぶ
「遅刻癖がある」「人と協力できない」といった業務遂行に直結する弱点は避けましょう。代わりに「慎重すぎる」「緊張しやすい」といった、改善余地があり努力でカバーできる内容を選ぶのがコツです。
2. 改善行動をセットで伝える
弱点だけで終わらせず、必ず「そのために工夫していること」を伝えます。
例:
- 緊張しやすい → 「事前にリハーサルを行い、今は落ち着いて発表できるようになった」
- 作業が遅い → 「タスクを分解して優先順位をつけるようにしている」
3. ストーリー形式で語る
「過去の弱点 → 工夫 → 現在の成長」という流れで答えると、ただの短所ではなく「成長のプロセス」として伝わります。
実際の回答例
営業職志望
「初対面で緊張してしまうことがあります。しかしその分、相手の話を丁寧に聞く習慣が身につき、信頼関係を築けるようになりました。」
→ 「人見知り」が「顧客志向の強さ」へと変換される好例。
事務職志望
「数字に強くないのが弱点です。ただ、そのために必ずダブルチェックを徹底した結果、丁寧でミスが少ないという評価をいただいていました。」
→ 「苦手意識」を「正確性の高さ」に転換できている。
クリエイター志望
「完璧を求めすぎて時間をかけすぎることがあります。そこで納期を守るため、タスクを分解し“80%で一度提出する”意識を持っています。」
→ 改善の工夫が具体的で、即戦力として信頼されやすい。
よくあるNG回答
- 「弱点は特にありません」 → 自己分析不足と見なされやすい
- 「完璧主義すぎるのが弱点です(改善策なし)」 → 誠実さに欠け、作り話と受け取られることも
- 「遅刻しがち」「報連相が苦手」 → 仕事の基本に関わるため逆効果
NG回答の共通点は「リアルさがない」または「改善が示されていない」ことです。
面接官に響く“弱点の見せ方”とは
弱点を語るときに意識したいのは「自分の伸びしろを見せること」。
面接官は「弱点を持ちながらも改善に向けて努力できる人」を採用したいのです。
だからこそ、弱点を語れる人は「強い人」。誠実で、自分を冷静に見つめ、行動を変えられる人物だと評価されます。
まとめ
- 面接で弱点を聞かれるのは「自己理解・誠実さ・改善意欲」を見るため
- 弱点を正直に語れる人は「強い人」として信頼される
- ポイントは「致命的でない弱点」「改善行動」「ストーリー仕立て」
- 回答例を参考に、自分の成長プロセスとして弱点を語ることが大切
面接の「弱点質問」は恐れるものではなく、自分の人間性を伝えるチャンスです。次の面接では、自分の弱点を正直に語りながら、それをどう成長に変えてきたかを堂々と伝えてみましょう。