「ゆるく働く」ために必要なのは、心や時間、お金などの「余裕」というお話は何度かしているかと思います。では、その「余裕」を作るためにはなにをすれば良いのでしょうか?
その1つとして「捨てる」ことがあります。
もちろん、人間関係や固定概念など、無形物を手放すことも大切です。しかし、こちらは少々ハードルが高く、一朝一夕では難しいもの。
そこでまずは有形物を捨てることから始めてみるのがおすすめです。
今回は身近なものを捨てるメリットや基準について、実際の体験を踏まえてまとめていきます。
現在のあなたはどうですか?
今でこそ、家の中がスッキリしている私ですが、以前はそんなことはありませんでした。
そこまで片付けが嫌いなほうではなかったものの、モノの絶対量が多かった気がします。残業続きなどで少しでも生活に余裕がなくなると、すぐに散らかってしまいがち。
このような方、多いのではないでしょうか?
- クローゼットに服は沢山あるのに、人と会う時に着たい服がない
- 家もそれなりに片づけているはずなのに、やはり旅館やホテルのような何もない部屋に行く方がリラックスできる
- モノを探して約束の時間に遅れそうになることがある
これらはすべて、モノを減らすことで変わります。
モノを捨てるときの考え方【使えるフレーズ3選】
では、実際にどのような考え方でモノを捨てていけば良いのでしょうか。こんまり先生の「ときめくかどうか」、やましたひでこ先生の「断捨離」等、世の中にはいろいろな判断基準がありますね。
今回は私が実践した際に意識していたことをまとめていきます。
「友人が家に来るとき隠したいものは捨てる」
- 洗面所にある古くなったタオル
- 毛玉だらけの部屋着
- 何度洗っても茶渋のとれない湯飲み茶わん
これらのモノは、「気に入っている」と言えるでしょうか?
例えば子ども時代に大切にしていたぬいぐるみなど、「人には見せられないけれど宝物」と言えるものでしたら問題ありません。しかし、もし何となく取っておいているだけのものでしたら、それはもう捨て時です。
「捨てる痛みを伴うことで、今後無駄遣いしない人になるんだ」
作業中、捨てること自体に罪悪感を覚えるタイミングもあることでしょう。
例えば、こういったものを捨てようとするとき。
- もう使わなくなったいただきものやプレゼント
- 買ったものの、汚れてもおらず殆ど使っていないもの
- 高かったもの
しかし、これを捨てないと同じことの繰り返しです。実際に経験してみて分かったことですが、捨てる痛みが大きければ大きいほど『もう二度とこんな思いをしたくない』と思うことができます。そしてそれこそが、今後の無駄遣い防止に繋がります。
何かを買おうとする際に、「また捨てることにならないかな?」「本当にこれは使うかな?」「セールでなくても買う?」などと自問自答する癖がつくのです。
「この服を着て、このバッグを持って人に会いたいか」
着られなくはないけれど、この服を着ているときに大切な人と会いたくないなあ・・・と思う服(やバッグ、靴など)も、捨てるべきです。きっと何らかの理由で自分が気に入らないポイントがあるはずだから。
昔は気に入っていたけれども今はヨレヨレのTシャツや、毛玉がついてしまったニット、若いころにはよく似合っていたものの加齢とともに似合わなくなってしまった色など。
「1人でスーパーやコンビニに着ていく用」の服を捨てることによって、モノの絶対量が減るというのももちろんですが、そのような服を手放すこと自体が、自分の「好き」を知っていくために必要な作業となります。
捨てたら起こった変化
では、実際にモノを減らしたことでどのような変化が起こったのか。こちらは実体験で感じたことをまとめてみました。
余計なものを買わなくなった
沢山のモノを減らしてスッキリと整った部屋で生活していると、物欲がなくなるようになりました。
- せっかく何十冊も本を捨てた本棚に、この雑誌を置きたいか?
- あの絵を捨てたのに、また似たような絵を飾りたいか?
- セール時に買った服、前回も着ないまま捨てたな・・・
などと、捨てたときの記憶を思い出すため、そうやすやすと新しいものを買いたいと思わなくなります。実際、よく考えないで買っていた雑誌や小物・雑貨、セール品の服などは一切買わなくなりました。
決断スピードが上がった
捨てる際に、「これは必要か否か」という選択を何十回・何百回とした経験が、意外なことに仕事などの面でも生かされてきました。
- この案件は自分のキャリアに必要?本当に受注するべき?
- この資料、ここまで時間をかけるべき?そもそも画像で見せればいいのでは?
- このクライアントは追うべき?諦めるべき?
など、ビジネスの現場では一日に物凄い数の決断を繰り返しているかと思います。その際の決断スピードが格段に上がりました。
自分にとって最も身近なモノを捨てていく過程で、自分の価値観や判断基準について考える機会が増えたことが、大きな理由の1つだと思っています。
「すぐやる」人になった
決断力を必要としない日々の細々としたタスクも、ついつい後回しにしてしまいがちな人は多いかと思います。しかし、部屋を片付けることによって、「未完了」のタスクが気になるように性格が変わりました。
例えば・・・
- 捨てに行かなければいけない粗大ゴミ、資源ごみ
- 契約関係の手続き
- 図書館で借りていた本の返却
- 必要な資料の請求
これらのことを「今やってしまおう」「今日やってしまおう」と思えるようになります。もともと後回し癖は克服していたものの、更に拍車がかかって前倒し人間になりました。
人間関係も円滑になった
捨てるかどうかの判断は、そのまま人間関係にも当てはまります。
「捨てる」というと言葉が悪いですが、モノを捨てる際に自分基準の決断の練習をしていくことは、人間関係にもそのまま応用できます。それぞれの関係を考えるときに、「付き合うべきか否か」ではなく「付き合いたいか否か」という基準で考えられるようになってくるのです。
そうすると、例えば下記のような、自分に悪い影響をもたらす人間関係に気づくことができます。
- 高額の話を持ってきてくれるものの、威圧的でストレスが溜まる人
- 人脈のためと思って仲良くしているが、考え方が根本的に合わない人(金銭的にルーズなど)
- 悪い人ではないものの、あまりにも愚痴が多い人
こういった関係を解消していくことによって余計なストレスが大幅に削減しました。
まとめ
モノを減らすことのメリットは絶大です。人生を変えたい、生活に何か良い変化をもたらしたい、そんなときは新しいものを取り入れがちですが、何よりも先にするべきことはモノを「減らす」ことです。
モノを減らすことは、生活コストを下げることにもつながります。これまでモノの管理に使っていたお金や時間の節約になるためです。それがひいては、ノーストレスでゆるく働くための準備ともなるのです。
まずは「決断力のトレーニング」と思って、不要物を捨てることを進めてみてください。きっとメリットが沢山ありますよ。